ストレッチ&フォールド
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ストレッチ&フォールドとは
ストレッチ&フォールド(Stretch and Fold)とは、サワードウブレッドなどの高加水パンの生地作りにおいて、生地を休ませながら断続的に「伸ばして(Stretch)は折り畳む(Fold)」動作を繰り返す技法のことを指します。従来のパン作りのように力強くこねる(ニーディング)代わりに、時間をかけて優しくグルテンを強化し、生地に弾力と構造を与える重要な工程です。
サワードウでの重要性
サワードウブレッド、特に加水率の高い生地においては、機械や手で激しくこねすぎると、デリケートな野生酵母の活動や生地の風味を損なうことがあります。ストレッチ&フォールドを行うことで、以下の効果が得られます。
- グルテンの整列と強化: 生地を優しく伸ばすことでグルテン組織が一定方向に整い、ガスを保持する力が強まります。
- 温度の均一化: 容器の表面と中心部で生じるわずかな温度差を混ぜ合わせることで、発酵を均一に進めます。
- 生地の感触の把握: 直接手で触れることで、発酵の進行具合や生地の弾力の変化をリアルタイムで確認できます。
- 気泡の保護: 激しいパンチ(ガス抜き)とは異なり、生成された小さな気泡を壊さずに大きな気泡へと育て、オープンクラム(大きな気泡のある内相)を作りやすくします。
詳細な解説
ストレッチ&フォールドは、通常「一次発酵」の初期段階で30分おきに3〜4回行われます。
具体的な方法
- 濡らした手で容器の中にある生地の端を掴み、切れない程度に上方へ長く伸ばします。
- 伸ばした生地を、反対側の生地の上へ被せるように折り畳みます。
- 容器を90度回転させ、この動作を4方向(前後左右)から1セットとして行います。
科学的役割と実践的な利用 この技法は「オートリーズ(水和)」と密接に関連しています。時間が経つにつれて自然に結合していくグルテンに対し、物理的な刺激を少しずつ加えることで、最小限の労力で最大の構造的強度を得ることができます。
回数を重ねるごとに生地にハリが出て、最初はデろりと広がっていた生地が、最終的には自分の形を保てるほど弾力を持つようになります。もし生地が十分に強くならない場合は回数を増やし、逆に反発が強すぎる場合は休ませる時間を長くするなど、生地の状態に合わせた調整が可能です。
他の用語との関連
- コイルフォールド: ストレッチ&フォールドの進化系で、より生地を傷めずに下から持ち上げて畳む技法。
- ラミネーション: 生地を薄く広げてから畳むことで、さらに強力な構造を作る技法。
- 一次発酵: ストレッチ&フォールドを行うメインの時間軸。
Synonyms:
S&F, Stretch and Fold
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