STEP 4：バルク発酵（一次発酵）と生地強化のコツ
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STEP 5：生地の分割、成形、最終発酵（二次発酵/プルーフ）の基本
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イントロダクション：STEP 4で構築した力を維持し、形を整える
分割、成形、最終発酵って何？
分割は生地を必要な重さに分けること、成形は生地に強い表面張力を与えること、そして最終発酵は成形後の生地を最適な状態に熟成させることを指します。これらは、STEP 4で培った生地の構造を維持し、焼成で最高の窯伸びを引き出すために欠かせません。
サワードウブレッドでの重要性
サワードウブレッドは高加水であるため、生地の取り扱いが非常にデリケートです。この段階で無理な力を加えると、せっかくSTEP 4で作り上げた気泡構造が壊れてしまいます。プレシェイプとベンチタイムで生地を休ませ、ファイナルシェイピングで正確かつ優しく張力を集中させることが、均一で美しいクラムを持つサワードウブレッドを完成させる鍵となります。
この記事でわかること
このステップでは、生地の力を最大限に維持しながら分割、プレシェイプ、ベンチタイムを行う方法、窯伸びを最大化するファイナルシェイピングのテクニック、そしてサワー種の複雑な風味を引き出すための最終発酵（冷温発酵）の管理方法について詳しく学べます。
STEP 5 詳細手順
生地の分割と休息（プレシェイピングとベンチタイム）
分割（Dividing）
バルク発酵が完了した生地を、パンの最終的な重さに合わせて切り分けます。切り分ける際は、生地のデリケートな構造を極力傷つけないよう、ドレッジ（スケッパー）で素早く切り分けるのが理想です。作業台には打ち粉をごく薄く振り、生地がくっつかないように注意します。
プレシェイピング（Pre-Shaping）
分割した生地を、最終成形のための予備的な成形（丸め）を行います。生地内のガスを必要以上に抜かないよう優しく、四隅を中央に折りたたむようにして丸めます。優しく作業台の上で転がすようにして表面に薄い膜（張り）を持たせ、均等な休息を得やすいように整えます。
ベンチタイム（Bench Rest）
プレシェイピングで一時的に締まったグルテンをリラックスさせるため、15分から30分程度休ませます。生地が少し広がり、触れると柔らかくしなやかになっている状態が目安です。この休息により、後のファイナルシェイピングで生地の構造を壊すことなく、しっかりと張力を与えることができるようになります。乾燥を防ぐために、生地にラップや清潔な布を被せておきましょう。
ファイナルシェイピング（Final Shaping / 最終成形）
パンの形を決定し、焼成中に生地が適切に立ち上がるための最後の内部構造を作り上げる、最も重要な工程の一つです。しっかりと張力を与えることで、焼成時の窯伸び（オーブンスプリング）が向上します。
成形の準備 ブール（丸型）やバタール（楕円型）など、最終的な形に合わせてバヌトン（発酵かご）を用意します。バヌトンには、米粉や強力粉と米粉を混ぜたもの（1:1）をしっかりと振りかけます。米粉は特に粘着性が低く、生地がくっつくのを防ぐのに効果的です。
成形方法 ベンチタイムを終えた生地を裏返し、優しく広げてガスを抜きすぎないように注意しながら、しっかりと生地を折りたたみ、表面に強い張力を持たせます。成形が完了したら、生地の綴じ目（シーム）を上にしてバヌトンに入れ、優しく生地をゆすって全体を安定させます。
最終発酵（Final Proofing / 二次発酵）
成形後の生地を焼成直前の状態まで発酵させる工程です。この発酵の管理が、サワードウブレッドの風味、クラム（内層）の食感、窯伸びに決定的な影響を与えます。
冷温発酵（冷蔵庫）
- 目的：発酵速度を大幅に遅らせ、サワー種特有の複雑な風味を最大限に引き出します。
- 温度と時間：通常、冷蔵庫（3度から5度）で8時間から18時間、またはそれ以上行われます。低温で時間をかけるほど酸味が増します。
- 利点：焼き上がり前に生地が過発酵になるリスクを減らし、冷たい状態で焼成することで窯伸びが良くなります。
室温発酵
- 目的：短時間で発酵を完了させたい場合に適しています。
- 温度と時間：室温（20度から25度）で1時間から3時間程度行います。時間よりも生地の状態観察が重要です。
発酵完了の見極め（フィンガーテスト）
人差し指に打ち粉をつけ、生地の側面に優しく押し込みます。
- 完了（理想）：凹みがゆっくりと戻るが、完全には戻らない（半分程度残る）状態。
次のステップ
最終発酵が完了したら、いよいよサワードウブレッドを焼く工程に移ります。次のSTEP 6では、焼成の準備と、使用されるオーブンを考慮に入れた具体的な焼成方法について詳しく解説します。
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